2025年5月23日
池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開

ロックの礎を築いた男:レッド・ベリー


自由な世界へ!世界が憧れ熱狂した男の伝説


<イントロダクション>

「レッド・ベリーがいなかったら、ビートルズもなかった」という有名な言葉を残したジョージ・ハリソン同様、ヴァン・モリソンも「レッド・ベリーがいなかったら、私はここにいなかったかもしれない」と追懐。ジャニス・ジョプリンは最初に買ったレコードがレッド・ベリーだったことを明かし、以来、ブルーズに夢中になったと回想する。また、ウディ・ガスリーは「最も偉大なフォークシンガー」と称賛を惜しまない。1950 年代、イギリスを席巻したスキッフルの中心にあったのはレッド・ベリーの曲だ。ロニー・ドネガンが歌うレッド・ベリーの曲を聴いた子供たちがバンドを結成、やがてレッド・ツェッペリンやローリング・ストーンズが誕生。レッド・ベリーの故郷アメリカに住む白人に、ルーツ音楽が逆輸入される形で広まった。
まさに「音楽史を変えた」と言っても過言ではないレッド・ベリーの真実に迫る音楽ドキュメンタリー。それはロックのルーツを探す旅ともいえる。オデッタ、ピート・シーガー、ハリー・ベラフォンテ、B・B・キング、ジョーン・バエズといった錚々たるミュージシャンが出演するほか、レッド・ベリーの姪クイーン・”タイニー”・ロビンソンやレッド・ベリーを有名にした民族音楽学者ジョン・ローマックスの息子アランの証言などで彼の波乱に満ちた人生が綴られる。加えて、”伝説の12弦ギタリスト”と称されたレッド・ベリーの演奏風景、魅惑的な歌声を保存したアーカイブ映像、写真などを多数収録。ポール・マッカートニーがカバーする模様も収められている。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ニルヴァーナ、レッド・ツェッペリン、ビーチボーイズなど、何百人ものアーティストが彼の曲をカバーするなど、その後のロックシーンに多大な影響を与えた巨匠の軌跡を辿る。




<ストーリー>

1888年、開拓が始まったばかりのルイジアナでは珍しい核家族の一人っ子として生まれ育ったハディ・レッドベターことレッド・ベリーは早くからギターを学び、10代の頃から出入りしていたシュリーブポートの赤線地区ファニン・ストリートで演奏していたという。ダンスパーティでは人気者で、女性にめっぽうもてたことから多くの男たちから反感を買い、トラブルに巻き込まれることもしばしば。初めて刑務所に収監されたときは脱獄に成功したが、2度目はナイフを持って追いかけてくる男を拳銃で殺した罪でテキサス刑務所に投獄された。しかし、パット・ネフ知事に捧げた曲が気に入られ、35年の刑罰から2年で釈放。その後、アンゴラ刑務所にも収監され、そこで民族音学者ジョン&アラン・ローマックス親子と出会う。アメリカン・ブラック・ソングのルーツを探していた彼らはレッド・ベリーの音楽性に魅了され、O・K・アレン知事に恩赦を求める歌を録音するなど陳情に協力、レッド・ベリーは再び釈放された。以降、レッド・ベリーはローマックス親子の歌の収集・録音の手伝いを申し出て、刑務所ツアーなどのアシスタントとして参加。その後、ニューヨークへ移住し、ローマックスによって世界に紹介されたレッド・ベリーの音楽は観客を熱狂させた。レッドベリーは、当時のアメリカの黒人に「自分がいる場所から抜け出せる」と見本を示した。1949年に61歳で逝去した後も、彼の曲は多くのミュージシャンによってカバーされ、新たな音楽が生まれ続けている。


監督:カート・ハーン

出演:レッド・ベリー、ピート・シーガー、ハリー・ベラフォンテ、B・B・キング、ジョーン・バエズ、アンナ・ローマックス・ウッド、アーロ・ガスリー、バーニス・ジョンソン・リーゴン、オスカー・ブランド、クイーン・”タイニー”・ロビンソン、ラリー・リッチモンド、マイケル・タフト、クリストファー・ローネル、ジェフ・プレイス、オデッタ

2021年/アメリカ/80分/カラー/ステレオ
原題"Lead Belly - The Man Who Invented Rock & Roll "
字幕監修:ピーター・バラカン、朝日順子
配給:NEGA



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